こだわりの石墓ブログ

カテゴリー : 石材

未来を照らす狛犬

石材 2024年05月01日

神社には、鳥居や狛犬が置かれています。
これらにはどのような目的があるのでしょうか。

鳥居は、境界を表しています。
内側、つまり本殿側は神聖なる場所、
外側は人々の生活の場とされています。

そして狛犬には、邪気が神域に入らないよう、魔よけの役割があります。
実は獅子、つまりライオンが起源なのです。

倉田八幡宮は、鳥取市に位置する由緒ある神社です。
旧鳥取藩主・池田家が江戸へ参勤交代に旅立つ際に、必ず参拝していました。

さて、倉田八幡宮に奉納された狛犬には、特別な意味があります。
「新たな気づき」「現状の打開」
という思いをこめて、ライオンがデザインされているのです。

石種の決定

「神社の伝統を崩したくない」という神社側と、
「参拝者に気づきを与える狛犬にしたい」という施主様の
両者の思いを真剣に考えました。

伝統ある狛犬に対して、ライオンをどのようにデザインするか。
それが最大の課題でした。
一般的に狛犬がもつ荒々しい印象とはひと味違う、
上品かつ内に秘めた強い意志をどのように表現するか。
そこで、「花沢石」を使用することを決めました。
この石は、数ある白みかげ石の中でも石目が細かく、高貴な印象を与えます。
そして表面をこたたき仕上げにし、すりガラスのように見せました。
そんな狛犬とは対照的に、台座には少し粒子の大きい白みかげ石「G603」を
使用しました。

こうして、
「混迷や不安を打破したい。」
「人々へ勇気と希望を与える存在であってほしい。」
そんな思いが詰まった、モニュメントが完成しました。

デザインと加工


まずは狛犬の正面、右側面の正確なデッサンから始めました。
出来上がりは、気品がありながら内に秘めた気迫に満ちたすばらしいものになりました。
下台はどっしりとして、安定感をもち、狛犬を支えるデザインとしました。
さらに下台はシンプルな四方形、上台はスリットのついた小さな階段状にしました。
こうしてせり上げていった上に、狛犬が座るデザインに決定しました。
上台、さらには凛としてたたずむ狛犬に注目させました。

また狛犬、台座はともに国内加工にこだわっています。
表面は本みがきとして、狛犬との対比を強調させました。
こうして互いの石材を程よく主張しながらも、
斬新なデザインの狛犬とバランスのとれた台座が完成しました。

基礎工事

倉田八幡宮の鎮守の森は、樹齢1000年といわれる大銀杏があります。
さらにタゴノキの巨樹や低湿地を代表する自然林を残す、
学術的に貴重な場所として国の天然記念物に指定されています。
このような現場の特殊性を考慮した基礎工事を行いました。

狛犬は重さ1.6トン、全高2.1メートルにも及びます。
この時、設置場所が低湿地であることを考慮しなければなりません。
まずは、普通地盤の3倍の強度に設定して枠組みを組みます。
次にコンクリートを流し込むのですが、ここで注意すべきポイントがあります。
設置場所は、左右に大きく離れているからです。
そのため、天場レベル合わせには、レーザー光波を使用しました。


南口石創が提案する基礎工事の詳細は、こちらからご覧ください。

設置場所

宮司さま、施主さまとの協議結果、設置場所が決定しました。
正面の鳥居下、手水舎横にたたずむ狛犬は、鎮守の森によく調和しています。
さしこむ太陽にあわせて、朝昼夕で変わる狛犬の表情の変化も楽しむことができます。

進化する狛犬、
未来の魁

かつて藩主が参拝していた江戸時代から、明治時代へ。
政治、経済、社会、文化など大きな変化を遂げてきました。
この変遷を、倉田八幡宮は見守ってきたのです。

混迷に満ちた現代を切り開き、
明治時代のように希望に満ちた時代、躍動感あふれる時代へ。


新たに奉納された狛犬が、勇気や希望のシンボルとして、
新たな未来の魁(さきがけ)とならんことを願っています。







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